「マッチングアプリを使っているのに、いい人に出会えない」
「何人かとやり取りしてみても、会いたいと思える人がいない」
「実際に会ってみても、なぜか次につながらない」
そんな状態が続くと、
「もう自分には恋愛は難しいのかな」
と思ってしまうことがあります。
けれど、いい人に出会えないからといって、あなた自身に魅力がないとは限りません。
出会う場所。
相手の選び方。
自分の見せ方。
そして、求めている関係。
そのどこかが少し噛み合っていないだけかもしれません。
実際、インターネットを通じた出会いは、今では決して珍しいものではありません。
国立社会保障・人口問題研究所の「第16回出生動向基本調査」では、最近の結婚において、SNSやマッチングアプリなどのインターネットサービスを通じて知り合った夫婦が13.6%を占めています。
だから、
「マッチングアプリでは出会えない」
と諦める前に、一度だけ「どう使っているか」を見直してみてもいいのかもしれません。
【マッチングアプリに「いい人がいない」と感じる7つの理由】
【1.条件だけで相手を見すぎている】
年齢、仕事、年収、住んでいる場所、身長、趣味、結婚歴。
マッチングアプリでは、実際に会う前から相手について多くの情報を見ることができます。
これはとても便利です。
でも便利だからこそ、いつの間にか一人の人間を「条件の一覧」として見てしまうことがあります。
現実の恋愛なら、
「最初はタイプじゃなかったのに、話しているうちに好きになった」
ということがあります。
ところがマッチングアプリでは、そこまでたどり着く前にプロフィールを閉じることができてしまいます。
もちろん、相手に求める条件を持つこと自体が悪いわけではありません。
そこで一度、
「絶対に譲れない条件」
と、
「できれば満たしていてほしい条件」
を分けてみてください。
それだけでも、今まで無意識に候補から外していた人の中に、意外と気の合う人が見つかるかもしれません。
【2.過去の恋愛相手と比べてしまっている】
恋愛経験を重ねるほど、私たちは比較するための記憶を持つようになります。
「前の人はもっと話が面白かった」
「元恋人はもっと優しかった」
「昔好きだった人の方がタイプだった」
過去の恋愛が基準になると、新しく出会った相手の「足りないところ」が目につきやすくなります。
でも、新しく出会う人は、過去に好きだった誰かの上位互換ではありません。
まったく違う人生を歩いてきた、別の人です。
だから比較するとしたら、
「前の人よりいいか」
ではなく、
「この人といるときの自分は心地いいか」
を見てみる。
【3.年齢とともに「譲れないもの」が増えている】
その方が、新しい人を新しい人として見ることができます。
30代、40代と経験を重ねれば、恋愛に求めるものが若い頃と変わっていくのは自然なことです。
失敗したこと。
傷ついたこと。
結婚や離婚を経験して初めて分かったこと。
仕事や家族との生活。
そうした経験は、次の相手を選ぶときの判断材料になります。
DavisとFingermanによるオンラインデーティングの研究では、18歳から95歳までの約4,000件のプロフィールを分析し、年齢によって自己紹介で強調する内容が異なることが報告されています。
若い人ほど仕事や達成など自分自身に関する表現が多く、年齢が高い人ほど人とのつながりを意識した表現が増える傾向が確認されました。
つまり、年齢を重ねることで、恋愛相手に求めるものや人との関係の捉え方が変化していくこと自体は、不自然なことではありません。
だから、大人になって恋愛の条件が増えること自体を悪いことだと考える必要はありません。
ただ、ときどき確認してみてください。
「これは本当に今の自分に必要な条件だろうか?」
昔傷ついた自分を守るための条件が、今の自分の出会いまで狭めていることもあります。
【4.プロフィールだけで「あり・なし」を決めている】
マッチングアプリでは、短時間で何人ものプロフィールを見ることができます。
写真。
数行の自己紹介。
職業。
趣味。
そして、
「この人は違うかな」
と判断する。
でも、プロフィールで分かるのはその人の一部分です。
文章を書くのが苦手な人もいます。
写真写りが悪い人もいます。
実際に話してみた方が魅力の伝わる人もいます。
もちろん、違和感を覚えた相手に無理して会う必要はありません。
ただ、
「悪くはないけど、決め手がない」
くらいなら、少し話してみる余地を残してもいい。
恋愛はプロフィールを評価することではなく、その人との間に何が生まれるかだからです。
【5.あなた自身の魅力がプロフィールで伝わっていない】
ここは一度しっかり確認してみたいところです。
「いい人がいない」と思っている一方で、
あなたを「いいな」と思ってくれる相手に、あなたの魅力が十分伝わっていない可能性もあります。
Thomasらが2025年に発表したオンラインデーティングの研究では、445人による5,340回の相手選択を分析し、写真から評価される外見的魅力、身長、職業、プロフィール文、知性などが相手選びにどの程度影響するかを比較しています。
その結果、写真から評価される外見的魅力は、相手を選ぶ際に特に大きな影響を持つ要素の一つでした。
研究では、外見的魅力の評価が1標準偏差高くなると、選択される確率が約20%高くなるという結果も報告されています。
ただし、これは、
「美男美女でなければ出会えない」
という意味ではありません。
プロフィール写真では、顔だけではなく、
表情、服装、清潔感、背景、写真の明るさ。
いろいろなものが一度に伝わります。
自分では普通だと思っていても、
「暗い場所で撮っている」
「顔がよく分からない」
「全部自撮り」
「何年も前の写真を使っている」
という状態では、本来の雰囲気が伝わっていないかもしれません。
一方で、加工すればするほど良いわけでもありません。
2023年に「Computers in Human Behavior」で発表されたTinderプロフィール写真に関する実験研究では、男性のプロフィール写真に美顔加工を施した場合、女性からの外見的魅力の評価は上がった一方で、信頼性の評価は下がることが報告されています。
つまり、プロフィール写真では「よく見せること」と「本人らしく信頼できること」の両方が大切だと考えられます。
大切なのは別人のように見せることではなく、
「実際の自分の魅力がきちんと伝わる写真を使うこと」
自分ではどんな写真を使えばいいか分からない場合は、恋活・婚活向けのプロフィール撮影を専門にしているサービスを利用する方法もあります。
【6.使っているマッチングアプリと目的が合っていない】
一口にマッチングアプリといっても、利用している人の目的は同じではありません。
恋人がほしい。
結婚したい。
趣味の合う人と知り合いたい。
まずは気軽に会いたい。
できるだけ真剣な人とだけ出会いたい。
自分は結婚まで考えているのに、気軽な恋愛を求める利用者の多い場所にいれば、当然ミスマッチは増えます。
反対も同じです。
だから、
「いい人がいない」
と感じたときは、
「自分に問題があるのではなく、今いる場所が自分に合っていない」
可能性も考えてみてください。
たとえば、同じ趣味から関係を始めたい人なら趣味を軸にしたサービス。
再婚や結婚を真剣に考えているなら、婚活に強いサービス。
相手選びそのものをサポートしてほしいなら、相談型のサービス。
出会いたい相手によって、入口を変えていいのです。
【7.「好きになれる人」を最初から探しすぎている】
恋愛をしたいと思えば、
「好きになれる相手」
を探したくなります。
でも、初めて会う相手を本当に好きになれるかなんて、本来すぐには分からないものです。
写真を見た瞬間に惹かれる恋もあります。
最初のデートで恋に落ちることもあります。
でも、
「もう一度会ってみようかな」
という程度から、ゆっくり始まる関係もあります。
最初から、
「この人を好きになれるだろうか?」
と考えると、相手に求める合格点はかなり高くなります。
それより、
「もう少し話してみたい」
「一緒にいて疲れなかった」
「なんとなく気になる」
そのくらいの感覚を残してみる。
大人の恋はいつも、分かりやすく始まるとは限りません。
【30代・40代になったら「出会える人」より「出会い方」を見直してみる】
大人になれば、人生には恋愛以外のものが増えていきます。
仕事。
家族。
過去の経験。
生活のペース。
守りたいもの。
だから、若い頃と同じ方法で恋愛をしようとしても、うまくいかないことがあります。
それは、恋愛が下手になったからとは限りません。
自分自身が変わったのだから、
「出会い方だって変えていい」
プロフィール写真を変えてみる。
条件を整理してみる。
使うサービスを変えてみる。
会うまでの判断基準を少し変えてみる。
自分自身を大きく変えなくても、入口を少し変えるだけで、出会う相手は変わります。
【いい人ではなく「もう一度会いたい人」を探してみる】
マッチングアプリを使っていると、
もっといい人。
もっと条件のいい人。
もっと自分に合う人。
そうやって、いつまでも次の人を探すことができます。
でも、人を好きになる理由は条件表だけでは説明できません。
声だったり。
話すテンポだったり。
笑い方だったり。
沈黙が気まずくなかったことだったり。
「理想の人だった」ではなく、
「なぜか、もう一度会いたかった」
そんなところから始まる恋もあります。
もし今、
「いい人がいない」
と感じているなら、次に探すのは100点の相手じゃなくてもいい。
もう一度、会ってみたいと思える人。
そのくらいの余白を残しておく方が、大人の恋にはちょうどいいのかもしれません。
【まとめ|出会えないときは、自分ではなく「出会い方」を見直してみる】
マッチングアプリでいい人に出会えない理由は、一つではありません。
条件を厳しくしすぎていることもあれば、過去の恋愛と比べていることもある。
プロフィールで魅力を十分伝えられていないこともあれば、そもそも使っているサービスが自分の目的と合っていないこともあります。
だから、うまくいかないときに、
「自分には魅力がない」
と結論を出す必要はありません。
変えてみるのは、自分自身ではなくてもいい。
写真を変える。
条件を変える。
出会う場所を変える。
相手を見る基準を少し変える。
恋が始まる入口は、一つではありません。
そして、大人になった今だからこそ始められる恋もあります。
【参考資料・出典】
国立社会保障・人口問題研究所
「第16回出生動向基本調査(結婚と出産に関する全国調査)」
最近の結婚における、インターネットサービスを通じた出会いについて参照。
Davis & Fingerman
「Digital Dating: Online Profile Content of Older and Younger Adults」
18~95歳の約4,000件のオンラインデーティングプロフィールを分析し、年代による自己表現の違いを検討した研究。
Thomas et al.(2025)
「The relative importance of looks, height, job, bio, intelligence, and homophily in online dating: A conjoint analysis」
Computers in Human Behavior Reports, Vol.17
445人・5,340回の選択を分析し、写真から評価される外見的魅力、身長、職業、プロフィール文、知性などが相手選びに与える影響を比較した研究。
「Swipe right? Using beauty filters in male Tinder profiles reduces women’s evaluations of trustworthiness but increases physical attractiveness and dating intention」(2023)
Computers in Human Behavior
男性のTinderプロフィール写真における美顔加工が、外見的魅力・信頼性・デート意向の評価に与える影響を調べた実験研究。

