- 【何を話しても、最初に返ってくるのは「でも」】
- 【結論|意見が違うことと、あなた自身を否定することは別】
- 【心理学では「批判」にも違いがある】
- 【2017年、批判の種類と恋愛関係を調べた研究】
- 【つまり「何も言わない関係」が理想ではない】
- 【「それ違うよ」が毎回続くとどうなる?】
- 【彼氏が話を聞いてくれないなら】
- 【「正しいかどうか」だけで会話していない?】
- 【正しいことを言っていても、傷つくことはある】
- 【長期間の夫婦研究でも、防御的なやり取りが調べられている】
- 【喧嘩しないことより「どう話すか」が大切】
- 【何でも否定する人は、なぜそうするの?】
- 【でも理由を理解することと、我慢することは違う】
- 【褒めてもらえず、否定ばかりされるなら】
- 【敵意のある批判と、建設的な指摘の違い】
- 【2017年研究でも、この違いが重要だった】
- 【あなたも彼を否定する会話になっていない?】
- 【でも「お互い様」で全部終わらせない】
- 【彼氏が謝らないなら】
- 【「否定しないで」では伝わらないこともある】
- 【欲しい反応も伝える】
- 【あなたが本音を言えなくなっているなら】
- 【否定され続けると、自分の感覚まで疑うことがある】
- 【「普通はこうだよ」を多用する彼なら】
- 【本当に話すべきなのは「普通」ではなく「二人はどうしたいか」】
- 【130組のカップルを1年間追った研究】
- 【ただし、この研究には対象上の特徴がある】
- 【問題は「否定」一回ではなく、会話のパターン】
- 【否定されたら、すぐ言い返す必要はない】
- 【勝ち負けの会話にしない】
- 【「あなたが間違っている」と「私は違うと思う」は違う】
- 【それでも彼が馬鹿にするなら】
- 【批判と侮辱は同じではない】
- 【自分の意見を持てる関係か考える】
- 【まとめ|意見が違うことより「違いをどう扱うか」を見る】
- 【参考にした主な研究】
【何を話しても、最初に返ってくるのは「でも」】
仕事でこんなことがあった。
そう話すと、
「でも、それお前にも原因あるんじゃない?」
と言われる。
欲しいものを見つけて、
「これかわいくない?」
と言えば、
「そうかな?」
と言われる。
旅行先を提案すれば、
「そこ微妙じゃない?」
と言われる。
悩みを話しても、
「考えすぎ」
「気にしすぎ」
で終わる。
別に全部、
「そうだね」
と言ってほしいわけではありません。
意見が違うこともある。
間違っていることだってある。
それでも、
何を話しても否定から入られると、
だんだん話す気がなくなってきます。
「私の話って、そんなに間違ってる?」
そんな気持ちになっていませんか。
【結論|意見が違うことと、あなた自身を否定することは別】
最初に結論から言うと、
恋人同士でも意見は違います。
何でも同意する必要はありません。
あなたが、
「この店行きたい」
と言って、
彼が、
「俺は別の店がいい」
と言う。
これはただの意見の違いです。
一方で、
「そんな店選ぶセンスないよ」
「お前っていつもズレてるよね」
となると、
話は変わります。
意見ではなく、
あなた自身を評価し、傷つける言い方になっています。
見るべきなのは、
「彼があなたと違う意見を言うか」
ではなく、
「違う意見をどう伝えてくるか」
です。
【心理学では「批判」にも違いがある】
恋愛研究では、
パートナーからの批判についても研究されています。
批判というと、
全部悪いものに聞こえるかもしれません。
でも、
「ここ直してくれたら助かる」
という伝え方と、
「お前は本当にダメだな」
という伝え方は違います。
前者は、
具体的な行動への指摘。
後者は、
相手そのものへの攻撃に近くなります。
つまり、
問題なのは、
「指摘されること」
そのものではありません。
【2017年、批判の種類と恋愛関係を調べた研究】
2017年、米国・ジョージメイソン大学のSarah Campbell氏、Keith Renshaw氏らは、
恋愛関係における批判と関係の質について3つの研究を行いました。
研究では、
敵意のある批判。
敵意のない批判。
それぞれが、
恋愛関係への満足度や関係の質とどう関連するかを調べています。
結果は、
すべての批判が同じではありませんでした。
攻撃的で敵意のある批判は、
関係満足度の低さと関連していました。
一方、
敵意がなく、
相手を攻撃しない形での指摘は、
関係の良さとプラスの関連を示していました。
【つまり「何も言わない関係」が理想ではない】
例えばあなたが、
デートに毎回30分遅れる。
彼が、
「遅れるなら連絡してくれると助かる」
と言う。
これは、
あなたの存在を否定しているわけではありません。
具体的な行動について話しています。
反対に、
「ほんと時間にルーズだよね」
「お前ってそういうところだらしない」
となる。
内容は似ていても、
受け取る印象はかなり違います。
【「それ違うよ」が毎回続くとどうなる?】
あなたが何か話す。
彼が訂正する。
別の話をする。
また訂正する。
そのうち、
「言っても否定されるし」
と思うようになります。
すると、
自分の意見を言わない。
彼に合わせる。
話したいことがあっても黙る。
という状態になっていくことがあります。
問題は、
一回否定されたことではありません。
「この人には何を言っても受け止めてもらえない」
と感じ始めることです。
【彼氏が話を聞いてくれないなら】
否定される以前に、
最後まで話を聞いてくれない。
話している途中で、
「いや、それは」
と遮られる。
スマホを見ながら、
「はいはい」
と言われる。
そんな状態なら、
あなたが欲しいのは賛成ではなく、
まず話を最後まで聞いてもらうことかもしれません。
彼氏が話を聞いてくれないことに悩んでいる人は、以下のブログを読んでみてください。

【「正しいかどうか」だけで会話していない?】
例えばあなたが、
「今日仕事で大変だった」
と言った。
彼が、
「でもお前の会社なんてそんな忙しくないだろ」
と言う。
彼は、
事実関係を確認しているつもりかもしれません。
でもあなたが求めていたのは、
会社の忙しさについての議論ではなく、
「今日は大変だったんだね」
という反応だった。
恋人同士では、
正解を出すことより、
相手の気持ちを知ることが必要な会話もあります。
【正しいことを言っていても、傷つくことはある】
彼の言っていることが、
完全に間違っているとは限りません。
あなたにも改善できることがある。
彼の指摘が正しいこともあります。
でも、
正しいことを言えば、
どんな言い方でもいい。
とはなりません。
人間関係では、
何を言うかと同じくらい、
どう言うかも大切です。
【長期間の夫婦研究でも、防御的なやり取りが調べられている】
1989年、米国の心理学者John Gottman氏とLowell Krokoff氏は、
夫婦が意見の衝突について話し合う様子を観察し、
その後の結婚生活の満足度を追跡しました。
研究では、
怒ったり意見が違ったりすること自体が、
必ずしも長期的に悪い結果につながるわけではありませんでした。
一方で、
防御的になる。
相手の話から引く。
頑固に拒む。
こうしたやり取りは、
その後の関係満足度の低下と関連していました。
【喧嘩しないことより「どう話すか」が大切】
恋人同士なら、
意見がぶつかることがあります。
生活。
お金。
仕事。
連絡。
デート。
家族。
価値観。
全部同じ人はいません。
だから、
「一度も意見が食い違わない関係」
を目指す必要はありません。
見るべきなのは、
違うときに、
「そういう考えもあるんだね」
と言えるか。
それとも、
「お前がおかしい」
になるかです。
【何でも否定する人は、なぜそうするの?】
理由は本人に聞かない限り確認できません。
ただ、
自分の意見を強く持っている。
正しいことを言いたい。
会話を議論として捉えている。
相手より優位に立ちたい。
否定する話し方が習慣になっている。
いろいろな可能性があります。
だから、
「彼は私を嫌いだから否定する」
とすぐに決めつける必要はありません。
【でも理由を理解することと、我慢することは違う】
彼はそういう性格だから。
昔から口が悪いから。
仕事で疲れているから。
そう考えることはできます。
でも、
あなたが毎回傷ついているなら、
そのままでいいという話ではありません。
「理由がある」
と、
「受け入れなければならない」
は別です。
【褒めてもらえず、否定ばかりされるなら】
かわいいと言わない。
頑張ったねとも言わない。
でも、
欠点にはすぐ気づく。
「そこ変じゃない?」
「それ似合ってないよ」
と言う。
そうなると、
「悪いところしか見てないの?」
と思うでしょう。
彼氏が褒めてくれないことにも悩んでいる人は、以下のブログを読んでみてください。

【敵意のある批判と、建設的な指摘の違い】
例えば、
部屋が散らかっている。
彼が、
「ここ片付けてもらえる?」
と言う。
これは具体的です。
反対に、
「お前って本当にだらしないよね」
と言う。
これは、
部屋の状態ではなく、
あなた自身を評価しています。
同じ問題を話していても、
関係への影響は違う可能性があります。
【2017年研究でも、この違いが重要だった】
先ほどの2017年研究では、
敵意のある批判は、
関係の悪さと関連していました。
でも、
敵意のない批判は、
必ずしも悪いものではありませんでした。
つまり、
恋愛では、
「不満を言わないこと」
より、
「相手を傷つけずに不満を伝えられること」
が重要だと考えられます。
【あなたも彼を否定する会話になっていない?】
ここで一度、
自分側も見てみましょう。
彼が何か言う。
「いや、それ違うよ」
と言っていない?
彼が失敗する。
「だから言ったじゃん」
と言っていない?
恋愛では、
片方だけの癖が、
少しずつ二人の会話の形になることがあります。
彼だけを責めるためではなく、
二人がどう話しているかを見るのです。
【でも「お互い様」で全部終わらせない】
あなたにも否定的な言い方があった。
だから、
彼があなたを傷つけても仕方ない。
ということではありません。
あなたの部分はあなたが直す。
彼の部分は彼が考える。
一つずつ分けます。
【彼氏が謝らないなら】
否定的なことを言われた。
あなたが、
「その言い方は傷ついた」
と伝えた。
すると、
「でも本当のことじゃん」
と言う。
謝らない。
そうなると、
問題は否定だけではなく、
傷つけたあとにどう向き合うかにも広がります。
彼氏が悪いことをしても謝らない人は、以下のブログを読んでみてください。

【「否定しないで」では伝わらないこともある】
彼に、
「何でも否定しないでよ」
と言う。
彼は、
「別に否定してない」
となるかもしれません。
そこで、
具体的にします。
「私が仕事の話をしたとき、最初に『でもお前も悪い』って言われると、話を聞いてもらえてない感じがする」
と伝える。
何をされたとき。
どう感じるのか。
これを説明します。
【欲しい反応も伝える】
例えば、
「全部同意してほしいわけじゃない」
と先に言います。
そのうえで、
「まず最後まで聞いてほしい」
「意見が違うなら、そのあと言ってほしい」
と伝える。
彼からすると、
何を変えればいいか分かりやすくなります。
【あなたが本音を言えなくなっているなら】
否定されるのが怖い。
だから、
本当は行きたい場所があるけど言わない。
嫌なことがあるけど言わない。
彼の意見に、
「そうだね」
と合わせる。
そんな状態なら、
すでに会話の問題があなたの行動まで変えているかもしれません。
彼氏に本音を言えず我慢している人は、以下のブログを読んでみてください。

【否定され続けると、自分の感覚まで疑うことがある】
「それ変だよ」
「普通そんなこと思わない」
「考えすぎ」
「お前がおかしい」
何度も言われる。
すると、
「私の感じ方がおかしいのかな」
と思うことがあります。
でも、
相手と感じ方が違うことと、
あなたの感情が存在してはいけないことは別です。
「私はそう感じた」
という事実まで、
他人が消すことはできません。
【「普通はこうだよ」を多用する彼なら】
普通の女性は。
普通のカップルなら。
普通そんなことで怒らない。
こういう言葉を使われると、
自分だけがおかしいように感じることがあります。
でも、
恋愛に一つの「普通」があるとは限りません。
連絡の頻度。
会う回数。
異性との距離。
お金。
全部カップルによって違います。
【本当に話すべきなのは「普通」ではなく「二人はどうしたいか」】
あなたは毎日少し連絡したい。
彼は数日に一度でいい。
どちらが普通?
という話ではありません。
二人がどこなら納得できるか。
そこを話します。
同じように、
彼が、
「普通そんなことで傷つかない」
と言っても、
あなたが傷ついたことは変わりません。
【130組のカップルを1年間追った研究】
2020年には、
130組、合計260人のカップルを対象に、
恋人同士が問題について話し合う場面を実際に観察する研究が発表されています。
研究者は、
批判。
防御的な反応。
相手から引いて黙ること。
そして、
肯定的なやり取りと否定的なやり取りのバランスなどを調べました。
その後、
12か月後の関係満足度も調べています。
結果として、
否定的なやり取りの多さや、
批判・防御・黙るといった行動は、
関係の満足度と関連していました。
【ただし、この研究には対象上の特徴がある】
この研究は、
境界性パーソナリティ障害や回避性パーソナリティ障害の特徴と、
恋愛関係でのやり取りを調べる目的で行われたものです。
だから、
一般のカップルすべてにそのまま当てはめることはできません。
それでも、
恋人同士の実際の会話を観察し、
批判、防御、沈黙などのやり取りと、
その後の関係満足度を調べている点は参考になります。
【問題は「否定」一回ではなく、会話のパターン】
誰でも、
つい強い言い方をする日があります。
疲れている。
余裕がない。
喧嘩している。
一回、
「それ違うでしょ」
と言われた。
それだけで、
悪い関係だとは判断できません。
見るのは、
何か月も、
何を話しても、
毎回否定される。
そしてあなたが、
話すことを諦めている。
そんなパターンになっていないかです。
【否定されたら、すぐ言い返す必要はない】
彼が、
「それおかしいよ」
と言った。
あなたは、
「何がおかしいの?」
と戦いたくなるかもしれません。
でも、
会話がヒートアップしているなら、
少し時間を置いてもいいでしょう。
落ち着いてから、
「さっきの言い方が嫌だった」
と話します。
【勝ち負けの会話にしない】
彼を言い負かす。
あなたが正しいと証明する。
これが目的になると、
二人とも、
相手の話を聞くより、
次に何を言い返すか考えるようになります。
恋人同士の話し合いで必要なのは、
判定を出すことではなく、
問題を二人で理解することです。
【「あなたが間違っている」と「私は違うと思う」は違う】
例えば、
「そんな考え方間違ってるよ」
ではなく、
「私は少し違うと思う」
と言う。
それだけでも、
相手そのものを否定する感じが減ります。
あなたからも使えるし、
彼にもお願いできます。
【それでも彼が馬鹿にするなら】
あなたが、
「そういう言い方されると悲しい」
と伝えた。
彼は、
「めんどくさ」
と笑う。
何度伝えても、
「お前が馬鹿だから」
と言う。
その場合、
「否定癖を直してもらう方法」
だけを考え続けなくてもいいでしょう。
大切なのは、
この人があなたを一人の人間として尊重しているかです。
【批判と侮辱は同じではない】
「ここ直して」
は批判や要望です。
「お前ほんと使えない」
は侮辱に近くなります。
恋愛の中で、
相手を見下す。
馬鹿にする。
能力や人格を攻撃する。
これは、
意見交換とは別の問題です。
【自分の意見を持てる関係か考える】
あなたは、
彼と違う意見を言える?
嫌なことを嫌と言える?
分からないことを聞ける?
間違えたとき、
馬鹿にされずにいられる?
こうしたことを考えてみます。
恋愛は、
一人が先生で、
もう一人が生徒になる関係ではありません。
【まとめ|意見が違うことより「違いをどう扱うか」を見る】
彼氏が何を言っても否定してくる。
「でも」
「違う」
「普通は」
「考えすぎ」
そんな言葉が続くと、
だんだん話すこと自体が嫌になります。
でも、
恋人同士で意見が違うこと自体は問題ではありません。
2017年の3つの研究では、
敵意のある批判は関係の悪さと関連していました。
一方、
敵意のない建設的な指摘は、
むしろ関係の良さと関連していました。
つまり、
問題は、
相手に何も言わないことではなく、
どう伝えるかです。
1989年の夫婦を追跡した研究でも、
意見の違いや怒りそのものより、
防御的になること。
頑固に拒むこと。
会話から引いてしまうこと。
などが、
その後の関係満足度の低下と関連していました。
だから見るなら、
彼があなたと違う意見を持つかどうかではありません。
あなたの話を最後まで聞くか。
意見が違っても馬鹿にしないか。
あなたの気持ちを否定しないか。
傷ついたと伝えたとき、言い方を考えてくれるか。
そして、
あなた自身が彼の前で、
自由に意見を言えているか。
そこです。
「全部私に賛成して」
と言わなくていい。
でも、
「私は私の考えを話しても大丈夫」
と思える関係は必要です。
恋人同士で大切なのは、
同じ考えになることではありません。
違う二人が、
お互いを否定せずに話せることなのではないでしょうか。
【参考にした主な研究】
2017年
米国・ジョージメイソン大学のSarah B. Campbell氏、Keith D. Renshaw氏、カリフォルニア大学ロサンゼルス校などの研究者。
3つの研究で、敵意のある批判と敵意のない批判が、恋愛関係の質とどのように関連するかを調査。
敵意のある批判は関係満足度の低さと関連し、敵意のない批判は良好な関係とプラスの関連を示しました。
『The Journal of Psychology』掲載。
2017年4月7日オンライン公開。
1989年
米国・John Gottman氏、Lowell Krokoff氏。
夫婦が意見の衝突について話し合う様子を観察し、その後の結婚満足度を追跡。
防御的な反応、頑固さ、会話から引く行動などが、3年後の結婚満足度の低下と関連していました。
『Journal of Consulting and Clinical Psychology』掲載。
2020年
米国の研究チーム。
130組、合計260人の恋愛カップルが衝突について話し合う場面を観察し、批判、防御、沈黙などのコミュニケーションと、12か月後の関係満足度を調査。
否定的なやり取りや一部の衝突行動と関係満足度との関連が確認されました。
なお、境界性・回避性パーソナリティ障害の特徴を扱う研究であり、一般のカップルすべてにそのまま当てはめることはできません。
『Journal of Abnormal Psychology』掲載。

