- 【本当は嫌だった。でも「大丈夫」と言ってしまう】
- 【結論|何でも言えばいいわけではない。でも我慢だけでも親密にはなれない】
- 【心理学では「自分の内側を話すこと」が研究されている】
- 【1998年、自分のことを話すことと親密さを調べた研究】
- 【大切なのは「受け止めてもらえた」と感じること】
- 【だから「本音を言えば解決」でもない】
- 【なぜ彼氏に本音が言えなくなるの?】
- 【嫌われたくないほど、小さな我慢が増えていく】
- 【彼氏に合わせすぎているなら】
- 【本音を隠すと、彼には「問題ない」と見える】
- 【「察してほしい」は外れることがある】
- 【96組の夫婦が42日間記録した研究】
- 【親密さは「何年付き合ったか」だけでは作れない】
- 【でも、いきなり全部打ち明けなくていい】
- 【「あなたは○○」より「私は○○」】
- 【彼氏に大切にされていないと感じているなら】
- 【本音を伝えたときの彼の反応を見る】
- 【彼氏が話を聞いてくれないなら】
- 【「言えない」のか「言っても聞いてもらえない」のか】
- 【「一人になりたい」と言われて何も言えなかったなら】
- 【本音を言うことは「要求を通すこと」ではない】
- 【意見が違ってもいい】
- 【本音を言ったら嫌われる関係なら】
- 【恋人は「何も問題を起こさない人」ではない】
- 【少しずつ「本当の自分」を関係の中に出していく】
- 【まとめ|本音を言えることと、受け止めてもらえること】
- 【参考にした主な研究】
【本当は嫌だった。でも「大丈夫」と言ってしまう】
彼氏に、
「今週会えなくなった」
と言われた。
本当は寂しい。楽しみにしていたし、「最近あまり会えてないよね」と言いたかった。
でも口から出たのは、
「大丈夫だよ」
だった。
彼が友達との予定を優先しても、「楽しんできて」と言う。連絡が少なくて寂しくても、「忙しいなら仕方ないよね」と言う。
本当は大丈夫じゃない。
でも、
「面倒くさい女だと思われたくない」
「重いと思われたくない」
「嫌われたくない」
そう考えると、本当の気持ちを言えない。
そんな恋愛をしていませんか。
【結論|何でも言えばいいわけではない。でも我慢だけでも親密にはなれない】
恋人だから、思ったことを全部そのまま言う。
それが正しいわけではありません。
相手への配慮は必要ですし、感情のまま言えば相手を傷つけることもあります。
でも、
「嫌だった」
「寂しかった」
「私はこうしてほしい」
という、自分にとって大切な気持ちまで隠し続けると、彼はあなたの本当の気持ちを知ることができません。
恋愛では、
「言わなくても分かってほしい」
だけでは伝わらないことがあります。
【心理学では「自分の内側を話すこと」が研究されている】
心理学には「自己開示」という言葉があります。
少し難しく見えますが、自分の考えや気持ち、経験、悩みなどを相手に伝えることです。
恋愛なら、
「会えなくて寂しかった」
「実はあの言い方が嫌だった」
「もっと一緒にいたい」
と伝えることも、その一つです。
そして研究を見ると、大切なのは単に「自分のことを話すこと」だけではありません。
【1998年、自分のことを話すことと親密さを調べた研究】
1998年、Jean-Philippe Laurenceau氏、Lisa Feldman Barrett氏、Paula Pietromonaco氏は、人が自分のことを話すことと、相手との親密さについて2つの研究を行いました。
参加者は日常の人とのやり取りについて、
自分がどのくらい自分のことを話したか。
相手がどのくらい自分のことを話してくれたか。
相手が自分を理解し、気にかけてくれていると感じたか。
その相手とどのくらい親密に感じたか。
などを記録しました。
そこで見えてきたのは、
「自分のことを話せば、それだけで親密になる」
という単純な話ではありませんでした。
【大切なのは「受け止めてもらえた」と感じること】
自分の気持ちを話した。
そのあと、
「この人は私を理解しようとしてくれた」
「私の気持ちを受け止めてくれた」
「私のことを気にかけてくれている」
と感じる。
こうした感覚が、親密さにつながる重要な部分でした。
つまり恋愛では、
本音を言う。
相手がそれを受け止める。
「この人には自分を見せても大丈夫」と感じる。
このやり取りが大切なのです。
【だから「本音を言えば解決」でもない】
例えばあなたが、
「最近会えなくて寂しい」
と言った。
彼が、
「そんなことで?」
と言う。
それでは、
「言わなければよかった」
と思うでしょう。
反対に、
「そっか。最近忙しくてあまり会えてなかったもんね」
と言われる。
それだけでも、
「分かってくれた」
と感じることがあります。
大切なのは、あなたが本音を言えること。
そして、彼がその本音をどう扱うか。
両方です。
【なぜ彼氏に本音が言えなくなるの?】
理由は人によって違います。
過去に本音を言って否定された。
以前の恋人から「重い」と言われた。
喧嘩になるのが怖い。
彼が不機嫌になるのが怖い。
別れを切り出されるのが怖い。
あるいは、
「恋人なら相手を困らせない方がいい」
と思っている。
本音を言えないことには、いくつもの背景が考えられます。
【嫌われたくないほど、小さな我慢が増えていく】
彼の言ったことに傷ついた。
でも、
「嫌だった」
と言ったら怒るかもしれない。
だから笑う。
急に予定を変更された。
本当は困る。
でも、
「いいよ」
と言う。
一つ一つは小さな我慢です。
その場では喧嘩になりません。
だから、
「これでいい」
と思えるかもしれません。
でも小さな我慢が積み重なると、いつか、
「なんで私ばっかり」
という気持ちに変わることがあります。
【彼氏に合わせすぎているなら】
本音を言えない人は、相手に合わせることが増える場合があります。
会う日も彼に合わせる。行く場所も彼に合わせる。LINEの頻度も彼に合わせる。嫌なことがあっても言わない。
それが苦しくなっているなら、以下のブログも読んでみてください。

【本音を隠すと、彼には「問題ない」と見える】
ここはかなり大切です。
彼が予定を変更した。
あなたは、
「全然大丈夫」
と言った。
彼からすれば、
「大丈夫なんだ」
と受け取る可能性があります。
でもあなたの中では、
「また私が我慢した」
となっている。
あなたは我慢を積み重ねているのに、彼は問題が起きていること自体を知らない。
二人が違う現実を見ている状態になります。
【「察してほしい」は外れることがある】
私がこんな顔をしているんだから分かるでしょ。
普通なら気づくでしょ。
好きなら分かるでしょ。
そう思うこともあります。
でも、人は相手の心を直接読むことはできません。
彼が気づくこともあれば、気づかないこともあります。
だから本当に大切なことほど、言葉にする必要が出てきます。
【96組の夫婦が42日間記録した研究】
2005年には、Laurenceau氏らが96組の夫婦を対象に、さらに日常生活に近い研究を行っています。
夫婦それぞれが42日間、
自分についてどのくらい話したか。
パートナーがどのくらい話してくれたか。
相手が自分を理解し、気にかけてくれていると感じたか。
その日にどれくらい親密さを感じたか。
などを毎日記録しました。
結果として、自分のことを話すことも、相手が自分のことを話してくれることも、その日の親密さと関連していました。
そしてここでも、
「相手が自分にきちんと応えてくれていると感じること」
が重要な役割を持っていました。
【親密さは「何年付き合ったか」だけでは作れない】
付き合って3年。
毎週会っている。
毎日LINEしている。
それでも、本当の気持ちはほとんど話さない関係もあります。
反対に交際期間が短くても、
「私はこう感じる」
「実はこんなことが怖い」
と少しずつ話せる関係もあります。
親密さは、交際期間やLINEの数だけでは決まりません。
【でも、いきなり全部打ち明けなくていい】
ここまで読むと、
「じゃあ全部本音で話そう」
と思うかもしれません。
そこまで急がなくて大丈夫です。
本音を話すことには怖さがあります。
まずは、
「今日はもう少し一緒にいたかった」
「それを言われると少し悲しい」
「今日はこっちのお店に行きたい」
くらいでもいい。
小さな本音から始められます。
【「あなたは○○」より「私は○○」】
例えば、
「あなたって全然私を大切にしないよね」
と言う。
彼は、
「そんなことない」
と反論したくなるかもしれません。
それより、
「最近予定が合わないことが多くて、私は少し寂しい」
と伝える。
これは彼を評価する言葉ではなく、自分の気持ちを伝える言葉です。
同じ問題でも、会話の始まり方が変わります。
【彼氏に大切にされていないと感じているなら】
本音を言えない背景に、
「どうせ私は後回しだから」
という気持ちがある人もいるでしょう。
友達、仕事、趣味。
いつも自分は最後。
でも、
「もっと大切にして」
とは言えない。
そんな状態なら、以下のブログを読んでみてください。

【本音を伝えたときの彼の反応を見る】
勇気を出して、
「寂しかった」
と言った。
そこで彼が、
「そんなことで?」
と笑うのか。
「そう感じてたんだね」
と聞くのか。
すぐ完璧な答えが返ってくる必要はありません。
彼も驚くかもしれないし、どう答えればいいか分からないこともあります。
見るのは、
あなたの気持ちを理解しようとする姿勢があるかです。
【彼氏が話を聞いてくれないなら】
本音を言おうとしても、彼はスマホを見ている。
話しても、
「はいはい」
で終わる。
それでは話すのが怖くなるのも不思議ではありません。
彼氏が話を聞いてくれないことに悩んでいる人は、以下のブログを読んでみてください。

【「言えない」のか「言っても聞いてもらえない」のか】
この二つは分けて考えた方がいいでしょう。
彼は聞いてくれる。
でも自分が怖くて言えない。
この場合は、小さな本音から少しずつ伝えることが役立つかもしれません。
一方で、
何度伝えても否定される。
怒られる。
無視される。
話をそらされる。
この場合、あなたの伝え方だけの問題ではありません。
彼があなたの気持ちをどう扱っているかも考える必要があります。
【「一人になりたい」と言われて何も言えなかったなら】
彼から、
「一人になりたい」
と言われた。
本当は不安だった。
でも、
「分かった」
しか言えなかった。
そんな人もいるでしょう。
相手の一人の時間を尊重することと、自分の不安を隠すことは同じではありません。
彼氏に「一人になりたい」と言われた人は、以下のブログも読んでみてください。

【本音を言うことは「要求を通すこと」ではない】
例えば、
「私は週に一度会いたい」
と伝えた。
だから彼は必ず週に一度会わなければいけない。
そういう話ではありません。
彼には彼の希望があります。
あなたにもあなたの希望があります。
本音を言う目的は、相手を従わせることではなく、
「二人は何を望んでいるのか」
を知ることです。
【意見が違ってもいい】
あなたは毎日LINEしたい。
彼は数日に一度でいい。
あなたは週末に会いたい。
彼は一人の時間も欲しい。
本音を言えば、違いが見えることがあります。
怖いかもしれません。
でも違いを隠したまま付き合えば、どちらかが我慢し続けることになります。
違うから別れるのではなく、違いを知って、二人がどうするか考えるために話します。
【本音を言ったら嫌われる関係なら】
一番怖いのは、
「本当の私を見せたら嫌われる」
という気持ちかもしれません。
もちろん、言い方への配慮は必要です。
でも、
寂しい。
嫌だった。
こうしてほしい。
そうした気持ちを穏やかに伝えただけで、毎回怒られる。馬鹿にされる。面倒くさがられる。
それなら、
「どうすればもっと上手に我慢できるか」
だけを考える必要はありません。
【恋人は「何も問題を起こさない人」ではない】
いつも笑っている。
何でも、
「いいよ」
と言う。
彼の希望に合わせる。
喧嘩もしない。
一見すると、とても付き合いやすい恋人かもしれません。
でもあなた自身は、その関係で幸せでしょうか。
恋人は、相手にとって都合のいい人になるためにいるわけではありません。
【少しずつ「本当の自分」を関係の中に出していく】
今日は、行きたい店を言ってみる。
次は、会いたい日を自分から言う。
そして寂しかったときに、
「寂しかった」
と言ってみる。
本音を話すことは、いきなり大きな告白をすることではありません。
小さな自分を少しずつ相手に見せるところから始められます。
【まとめ|本音を言えることと、受け止めてもらえること】
彼氏に本音が言えない。
嫌われるのが怖い。
重いと思われたくない。
だから、本当は嫌なのに「いいよ」と言う。寂しいのに「大丈夫」と言う。
そうやって関係を守ろうとすることがあります。
でも彼には、あなたが何を感じているのか分かりません。
1998年の研究では、自分について話すことだけでなく、そのあと相手から理解され、受け入れられ、気にかけてもらえたと感じることが親密さに重要な役割を持っていました。
さらに2005年には96組の夫婦が42日間毎日記録を行い、自分や相手の自己開示、相手からの応答をどう感じるかと、その日の親密さとの関連が確認されています。
だから、
何でも言えばいいわけではない。
でも、
何も言わないことだけが優しさでもありません。
「私はこう感じた」
と少しずつ伝えてみる。
そして彼が、その気持ちをどう扱ってくれるのかを見る。
恋愛で本当に欲しい安心は、
「嫌われないように本当の自分を隠すこと」
ではなく、
「本当の自分を少し見せても、この人とは話せる」
と思えることなのではないでしょうか。
【参考にした主な研究】
1998年
Jean-Philippe Laurenceau氏、Lisa Feldman Barrett氏、Paula R. Pietromonaco氏。
自己開示、相手からの自己開示、相手が自分を理解し気にかけてくれていると感じることと、親密さの関係について2つの研究を実施。
自己開示と親密さの関係において、相手からの応答をどう感じるかが重要な役割を持つことを報告。
『Journal of Personality and Social Psychology』掲載。
2005年
米国・マイアミ大学のJean-Philippe Laurenceau氏、ボストンカレッジのLisa Feldman Barrett氏、ペンシルベニア州立大学のMichael Rovine氏。
96組の夫婦が42日間、自己開示、パートナーからの自己開示、相手から理解・受容されていると感じる程度、その日の親密さなどを記録。
自己開示と相手からの応答をどう感じるかが、日々の親密さと関連していました。
『Journal of Family Psychology』掲載。

