- 【大人になってから、恋愛が難しくなった気がする】
- 【恋愛経験が増えると「知らなかった頃」には戻れない】
- 【好きになる前に、考えることが増えていく】
- 【「いい人に出会えない」は、本当に出会いだけの問題?】
- 【出会いがない男性については、別の記事でも調べています】
- 【大人になると「失敗したくない」が強くなることもある】
- 【恋愛不安が強いと、出会いの場にも影響することがある】
- 【相手からどう見られるかを気にしすぎていない?】
- 【大人の恋愛では、最初から「運命」を求めすぎない】
- 【親密さは、最初から完成しているものではない】
- 【一回目で「好き」にならなくてもいい】
- 【初デートは「恋人にするか」を決める場所ではない】
- 【過去の恋人と、新しい人を比べてしまう】
- 【忘れられない人がいるなら】
- 【失恋の経験が、新しい恋を怖くすることもある】
- 【失恋から立ち直れていないなら、先にそちらでもいい】
- 【「理想が高いから恋愛できない」と簡単に決めつけない】
- 【大人の恋愛には、大人の強みもある】
- 【恋愛の目的を「選ばれること」から変えてみる】
- 【新しい恋愛を始めるなら、まず出会いの数を増やす】
- 【ただし「誰でもいい」ではない】
- 【まとめ|大人の恋愛が難しいのは、恋愛できなくなったからではない】
- 【参考にした主な研究】
【大人になってから、恋愛が難しくなった気がする】
20代の頃は、もう少し簡単だった気がする。
誰かを好きになって、連絡先を交換して、何度か会って。
うまくいかなければ落ち込むけれど、また別の誰かを好きになる。
でも30代、40代になると、恋愛が以前より難しく感じることがあります。
「いい人がいない」
「誰かと出会っても、なかなか好きになれない」
「傷つくくらいなら、一人の方が楽かもしれない」
恋愛経験が増えたはずなのに、なぜか恋愛は簡単にならない。
むしろ、難しくなったように感じる。
でも、それはあなたが恋愛できなくなったからなのでしょうか。
今回は「年齢を重ねると恋愛できなくなる」という話ではなく、大人になることで何が変わるのかを、恋愛や親密な関係についての研究から考えてみます。
【恋愛経験が増えると「知らなかった頃」には戻れない】
初めて本気で人を好きになった頃を思い出してみてください。
まだ、恋愛でどれほど傷つくことがあるのか知らなかったかもしれません。
好きだから会いたい。
好きだから付き合いたい。
比較的まっすぐに、その気持ちを追いかけられた人もいるでしょう。
でも大人になるまでには、いろいろな経験をします。
浮気された。
突然振られた。
信じていた人に嘘をつかれた。
何年も付き合ったのに結婚できなかった。
好きだったのに、価値観が合わなかった。
もちろん、すべての人がこうした経験をするわけではありません。
ただ、一度「恋愛は傷つくことがある」と知れば、次の恋では少し慎重になることがあります。
【好きになる前に、考えることが増えていく】
大人の恋愛では、相手を見る項目も増えます。
性格は合う?
仕事は?
生活リズムは?
住んでいる場所は?
結婚したい?
子どもは?
お金の感覚は?
休日の過ごし方は?
親との関係は?
若い頃なら、
「好きだから付き合う」
だけで始められた恋愛が、
「この人と付き合ったら、将来どうなるだろう」
まで考えるようになる。
これは悪いことではありません。
むしろ、自分の人生を真剣に考えるようになった結果とも言えます。
ただ、考える項目が増えれば、恋愛の入口が狭く感じられることはあるでしょう。
【「いい人に出会えない」は、本当に出会いだけの問題?】
大人になると、自然な出会いそのものが減ることもあります。
学生時代なら、学校に行くだけで同年代の男女がいました。
新しいクラス。
サークル。
アルバイト。
友達の友達。
社会人になってしばらくは、職場や飲み会で新しい人に会うこともあるでしょう。
でも年齢を重ねると、生活が固定されていきます。
家。
職場。
いつもの友達。
いつもの店。
毎週ほぼ同じ人と会う生活なら、新しい恋愛対象に出会う確率も当然高くはありません。
「自分には魅力がないから恋愛できない」
と考える前に、
「そもそも新しい人と何人会っているだろう」
と考えてみる必要があります。
【出会いがない男性については、別の記事でも調べています】
特に30代・40代男性の場合、「女性と出会う場所がない」という悩みがあります。
でも、職場や友人関係だけが出会いではありません。
趣味、コミュニティ、マッチングアプリなど、生活の外側へ接点を増やす方法もあります。
出会いの場所についてはこちらで詳しく扱っています。
→【30代・40代男性はどこで女性と出会う?出会いがない社会人の現実的な方法】
【大人になると「失敗したくない」が強くなることもある】
もう一つ考えたいのが、恋愛への不安です。
気になる人ができた。
でも、
「断られたら嫌だな」
「この人も結局ダメかもしれない」
「また傷つくかもしれない」
と考える。
恋愛には、相手へ近づきたい気持ちと、拒絶されたくない気持ちが同時に存在することがあります。
2010年に116人を対象として行われたスピードデート研究でも、恋愛関係を始める場面には、人と結びつきたい欲求と拒絶への恐れによる接近―回避の葛藤があるという観点から分析が行われています。
つまり、
「恋人は欲しい」
のに、
「傷つきたくない」
も存在する。
この二つが同時にあること自体は、不思議ではありません。
【恋愛不安が強いと、出会いの場にも影響することがある】
愛着不安と恋愛初期の関係を調べた研究もあります。
2014年に発表された研究では、スピードデートや初対面の異性との会話など、複数の研究を通して、愛着不安が新しい関係を作る最初の段階でどのように表れるかが検討されました。
研究では、愛着不安が高い人にみられる社会的不安に関連した行動が、相手からの評価に影響する可能性が示されています。
ここから、
「恋愛に不安がある人はモテない」
などと単純化することはできません。
ただ、
「また失敗するかもしれない」
という不安が強くなれば、出会った相手との振る舞いにも影響する可能性はあります。
【相手からどう見られるかを気にしすぎていない?】
大人になると、自分なりの恋愛経験があります。
だから初対面でも、
「この人は俺をどう評価している?」
「年収を見られているのかな」
「見た目でなし判定された?」
「会話つまらないと思われてない?」
と、相手からの評価を気にすることがあります。
すると、目の前の人を知るより、
「自分がどう見られているか」
に意識が向いてしまう。
これは前回の「女性との会話」の記事でも触れた部分です。
会話が苦手だから恋愛できないのではなく、相手に良く見られようとしすぎることで会話が難しくなっている場合もあります。
→【女性との会話が続かない男性へ|「何を話すか」より大切な好かれる会話の心理学】
【大人の恋愛では、最初から「運命」を求めすぎない】
久しぶりに恋愛しようと思って誰かと会った。
悪い人ではない。
でも、
「なんか違う」
一回会って終わる。
もちろん、本当に合わない相手なら無理に会う必要はありません。
ただ、一度会っただけで、
「この人を好きになれるか」
まで答えを出そうとしていないでしょうか。
恋愛には一目惚れもあります。
一方で、人との親密さが少しずつ形成される過程についても研究されています。
【親密さは、最初から完成しているものではない】
1998年、Laurenceauらは、人との親密さがどのように形成されるかを日常の交流から調べました。
研究では、自己開示、相手からの自己開示、そして「相手が自分を理解し、認め、気にかけてくれている」と感じる応答性が、親密さの経験に関係していました。
特に感情についての自己開示は、単なる事実や情報の自己開示より親密さを予測する重要な要素として示されました。
つまり親密さは、
「会った瞬間にあるか、ないか」
だけではありません。
話す。
相手を知る。
自分のことも少し話す。
理解してもらえたと感じる。
そうした交流の中から育っていくことがあります。
【一回目で「好き」にならなくてもいい】
マッチングアプリなどでは、短時間で判断する場面が増えます。
写真を見る。
プロフィールを見る。
メッセージする。
一度会う。
そして、
「あり・なし」
を決める。
効率的ではあります。
でも、「嫌ではないけれど、まだ好きでもない」という人まで切ってしまえば、関係が育つ前に終わってしまう可能性もあります。
もちろん、生理的に無理だったり、価値観に大きな違いがあったり、危険を感じたりする相手と無理に会う必要はありません。
そうではなく、
「もう一度話してみてもいいかな」
くらいなら、二回目に会ってから考えてもいいのです。
【初デートは「恋人にするか」を決める場所ではない】
初デートで、
「この人と付き合えるかな」
「結婚相手としてどうかな」
まで考えると、相手を見る基準が非常に厳しくなります。
初めて会った人なのですから、分からないことの方が多くて当然です。
一回目は、
「もう一度会ってみたいか」
だけでもいい。
二回目なら、
「もう少し知りたいか」
でもいい。
恋愛の結論を急がず、一段ずつ進める。
大人だからこそ、そんな恋愛の始め方もあります。
【過去の恋人と、新しい人を比べてしまう】
大人の恋愛には、もう一つ難しいことがあります。
過去の恋愛です。
元恋人は優しかった。
元恋人とは趣味が合った。
元恋人とは何時間でも話せた。
すると、新しく会った人を無意識に過去の恋人と比較することがあります。
でも、何年も付き合った恋人と、今日初めて会った人では関係の深さが違います。
元恋人との「完成した関係」と、新しい人との「始まったばかりの関係」を比較すれば、新しい人が物足りなく見えることもあるでしょう。
【忘れられない人がいるなら】
新しい恋愛が難しい理由が、
「まだ前の人を好きだから」
という場合もあります。
忘れようとすればするほど思い出してしまう。
新しい人と会っても比較してしまう。
そんな心理についてはこちらの記事で詳しく扱っています。
→【忘れたいのに忘れられない人がいるのはなぜ?心に残る恋の心理】
【失恋の経験が、新しい恋を怖くすることもある】
本気で好きだった人と別れた。
その経験が大きいほど、
「もうあんな思いはしたくない」
と思うことがあります。
恋人が欲しくないのではなく、失う苦しさをもう経験したくない。
だから最初から深く好きにならないようにする。
相手の欠点を早めに探す。
少し違和感があれば距離を取る。
もちろん、これはすべての人に当てはまるわけではありません。
ただ、恋愛したい気持ちと傷つきたくない気持ちが同時にあるなら、その両方が自分の中にあることを一度認めてみてもいいのかもしれません。
【失恋から立ち直れていないなら、先にそちらでもいい】
新しい恋愛を急ぐ必要もありません。
大きな失恋の直後なら、誰かを好きになろうとしてもうまくいかないことがあります。
失恋から立ち直ること、執着から少しずつ離れること、自分の生活を取り戻すことについてはこちらの記事で詳しく扱っています。
→【失恋から立ち直るには?忘れられない人を手放して前に進む方法】
【「理想が高いから恋愛できない」と簡単に決めつけない】
30代、40代で独身だと、
「理想が高いんじゃない?」
と言われることがあります。
でも、条件を持つこと自体が悪いわけではありません。
結婚を考えているなら、価値観や生活設計を見るのは当然でしょう。
問題になるとすれば、
「自分にとって本当に必要な条件」
と、
「なんとなく持っている条件」
が混ざっている場合です。
例えば、
誠実である。
話し合いができる。
金銭感覚が大きく違わない。
これは自分にとって重要かもしれない。
一方で、
身長は○cm以上。
特定の職業。
趣味が全部同じ。
初対面から会話が完璧。
こうした条件も本当に必要なのか、一度分けてみる。
条件を全部捨てるのではありません。
自分が幸せな関係を作るために、何が本当に必要なのかを知るということです。
【大人の恋愛には、大人の強みもある】
ここまで読むと、
「やっぱり大人の恋愛って難しいじゃん」
と思うかもしれません。
でも、悪いことばかりではありません。
若い頃より、自分が分かっている。
どんな人が苦手なのか。
どんな関係なら安心できるのか。
何をされると傷つくのか。
何を大切にしたいのか。
失敗も含めて恋愛経験があるからこそ、
「次はこういう関係を作りたい」
と考えることができます。
若い頃のような勢いは減っても、相手を見る力は増えているかもしれません。
【恋愛の目的を「選ばれること」から変えてみる】
恋人がなかなかできないと、
「どうすれば選ばれる?」
と考えます。
もっと見た目を良くする。
もっと面白くなる。
もっと収入を上げる。
もちろん、自分を磨くことは悪くありません。
でも恋愛は、片方が審査されるものではありません。
あなたも相手を選んでいます。
この人といると安心できるか。
自分の話を聞いてくれるか。
相手の話をもっと聞きたいと思うか。
意見が違ったとき話し合えるか。
一緒にいる自分を好きでいられるか。
大人の恋愛では、こちらの方が重要になってくることがあります。
【新しい恋愛を始めるなら、まず出会いの数を増やす】
それでも、恋愛は一人では始まりません。
恋愛したいと思っているのに、新しい異性と一年間ほとんど会っていないなら、まず変えるのは自分の性格ではなく環境かもしれません。
趣味を始める。
友達の集まりに行く。
地域のコミュニティへ参加する。
マッチングアプリを使う。
婚活を始める。
どれが正解というわけではありません。
自分に合った方法で、新しい人と会う機会を増やします。
【ただし「誰でもいい」ではない】
出会いを増やすことと、誰でもいいから付き合うことは違います。
大切なのは、
「出会う人数を増やして、その中から自分に合う人を知っていく」
ことです。
一人目で見つからなくてもいい。
二人目でもいい。
十人会っても見つからないかもしれない。
それは恋愛に失敗しているのではありません。
自分と相性の合う一人を探している途中です。
【まとめ|大人の恋愛が難しいのは、恋愛できなくなったからではない】
大人になってから、恋愛が難しくなった。
そう感じることはあります。
出会いが減った。
過去の経験がある。
傷つく怖さを知っている。
将来について考える項目が増えた。
相手を見る基準も、自分を見る基準も増えた。
だから若い頃のように、勢いだけでは進めなくなることがあります。
でも、それを、
「もう恋愛できない」
と考える必要はありません。
親密さについての研究では、人との近さは自己開示や相手からの応答を通して形成されていくことが示されています。
最初から運命の人だと思えなくてもいい。
一回目で好きにならなくてもいい。
まず、
「もう一度話してみたい」
と思える人を探す。
そして少しずつ、お互いを知っていく。
大人の恋愛は、若い頃より少し慎重かもしれません。
でも、自分が何を大切にしたいのかを知ったうえで誰かを選べる。
それは、大人になったからこそできる恋愛でもあるのだと思います。
【参考にした主な研究】
Laurenceau, J.-P., Barrett, L. F., & Pietromonaco, P. R. (1998).
Intimacy as an interpersonal process: The importance of self-disclosure, partner disclosure, and perceived partner responsiveness in interpersonal exchanges.
Journal of Personality and Social Psychology, 74(5), 1238–1251.
McClure, M. J., Lydon, J. E., Baccus, J. R., & Baldwin, M. W. (2010).
A Signal Detection Analysis of Chronic Attachment Anxiety at Speed Dating: Being Unpopular Is Only the First Part of the Problem.
Personality and Social Psychology Bulletin, 36(8).
対象:116人。
McClure, M. J. et al. (2014).
Anxiety doesn’t become you: How attachment anxiety compromises relational opportunities.
Journal of Personality and Social Psychology.
恋愛関係形成初期について複数研究を実施。
Arican-Dinc, B., & Gable, S. L. (2023).
Responsiveness in romantic partners’ interactions.
Current Opinion in Psychology, 53, 101652.

